REPORT vol.6-7
開催日 : 2022年11月12日(土)
対象年齢 : 3〜7歳 / 8歳〜12歳
ナビゲーター : 遠藤真理・田中泰
場所 : ガーデンハウス(港区)
[ CULTURE ]
11月12日(土)、東京・港区六本木のとあるマンションの中庭に建つ小さなサロンにて 、&E PROGRAM 「感じる音楽会」が開催されました。まるでナビゲーター遠藤真理さん(チェリスト)や田中泰さん(音楽ジャーナリスト)のご自宅に招かれたようなリラックスした雰囲気の中、チェロの生演奏とハイスペックなオーディオから流れる名演奏の鑑賞、そしてお二人の息がぴったりなトークを楽しみました。
「息遣いが聞こえるほどの近距離で、遠藤さんの素晴らしい演奏を聴くという体験は、僕らでもなかなかできるのものではありません。」と田中さんがおっしゃるように、今回は、遠藤さんと1mほどの距離に置かれた椅子に座ってもよし、床に座って振動を感じるのもよしという自由な音楽鑑賞が実現しました。中には寝っ転がって床に耳をつけて演奏を聴いていた子もいたほど。初めてチェロの音を聴いたというこの5歳の男の子は、「(耳を塞いで)うるさーい」が第一声でした(笑)。でも次第にうっとりと指揮の真似をしてみたりと様子がだんだんと変化していきました。「大きなホールでの演奏との違いは、リアクションがすぐ感じられるってこと。それが何よりの醍醐味でした」と、子どもの素直で正直な反応を遠藤さんも楽しんでくださったようです。他にも、演奏中のチェロを触らせてもらい音の響きを感じたり、子ども用の分数チェロを使って実際に音を出してみたりと、新たな興味をかきたてられ「音楽」が身近に感じられた体験になりました。
また田中さんのパートでは、「クラシック音楽を知る・感じる・考える」という構成で、LINNのハイスペックオーディオを使って名演奏・名曲を鑑賞し、音の洪水の中に身を浸すひとときを過ごしました。カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏のパッヘルベル「カノン」では、途中からこっそり遠藤さんがジョインしてチェロのパートを演奏するという演出も。この思いがけない共演に真っ先に気づいたのは子どもたちでした。スピーカーからの音に集中するあまり最後まで気づかなかったという人もいて、子どもたちの感性の柔軟さに改めて驚かされました。
今回のプログラムは、SAYEGUSAの「良いものを本物として大人と同じように体験してらうことが重要」という考えに共感してくださったお二人のナビゲーターのもと、いわゆる子ども向けの音楽会とは一線を画したものとなりました。色々な工夫をしていただきながらも、演奏やお話は大人が聴いても楽しめるものでした。
このようなプログラムに参加されるにあたり、「難しすぎて、子どもが飽きるかもしれない」という心配をされる保護者さまもいらっしゃるかもしれません。でも、子どもたちは大人が思っている以上に集中力があり、本物に対するアンテナも備わっています。子どもに忖度しない本物を提供すれば、こちら側の本気度というのはきちんと伝わるのだということを、私たちはこの半年で身を持って感じてきました。
SAYEGUSAはこれからも、子どもたちが思いがけない世界にふれ、驚きや喜び、感動を呼び起こし、それぞれの「気づき」を見つけることが出来るような体験をご提供していきたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。
今年もまもなく終わります。どうぞ素敵なホリデーシーズンをお過ごしくださいませ。
2023年も皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りいたします。
皆さまにまたお会いできますのをスタッフ一同楽しみにしております。
2022年12月
SAYEGUSA &E事務局
「長い人生の中で、好きなものが多い方が幸せ。その中にクラシック音楽が入ってくれたら嬉しいです」(遠藤さん)
「クラシックは長くお付き合いができるもの。今回のように、クラシック音楽を好きになる入り口はいろんな所にあるんです。実はとても身近にあるものなのに、非日常の世界でもある。そこに足を踏み入れた瞬間に全然違う世界が待っています。」(田中さん)
マーク・サマー:ジュリー・オー
*ブリテン:青少年のための管弦楽入門(小澤征爾(指揮とナレーション)、ボストン交響楽団)
*パッヘルベル:カノン(ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)
*ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調「運命」より 第1楽章 (フルトヴェングラー指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)(テオドール・クルレンツィス指揮、ムジカエテルナ)
アイルランド民謡:サリー・ガーデン
カサド:無伴奏チェロ組曲より インテルメッツォ・エ・ダンツァ・フィナーレ
バッハ:無伴奏チェロ組曲 1番より プレリュード、サラバンド、ジーグ
黛敏郎:文楽
日本歌曲メドレー
(*はオーディオ鑑賞)
Photo : Ko Tsuchiya
ご参加された保護者さまの声
ご参加いただいたプレ会員の皆様には心よりお礼申し上げます。
貴重なご意見の一部を抜粋してご紹介いたします。
●生の音楽をこんなに近くで感じる体験は今までなかったので、とても感動いたしました。日本の楽曲を演奏された時に、本物の琴と尺八に聞こえました。(5歳母)
●本物を間近で体験することが出来ました。子どもの素直な反応が新鮮でした。(5歳、4歳 父母)
●一言で言い表せない素晴らしい時間でした。SAYEGUSA&EXPERIENCEのプログラムはどれも親子で楽しませていただける企画ばかりで、これからも楽しみにしています。(5歳母)
●音楽の素晴らしさと遠藤先生の暖かさ、子供たちがリラックスして自由に音楽を楽しんでいました。また、田中さんの分かりやすいお話でクラシックがより身近になりました。貴重な体験をありがとうございました。(7歳母)
●アットホームな雰囲気で演奏者と距離感近く、がとても素敵なコンセプトだと思いましたし、実際大人でもかなり見応えを感じました。ただ、子どもには贅沢すぎると感じたので、もう少し価格帯も抑えて、子供でも身近な曲などを演奏していただけると、もっと利用もしやすいのかなと思いました。ありがとうございました。(5歳母)
●肌で音楽を感じることが出来た。音楽の説明がとても分かりやすかった。(7歳父)
●本日は素晴らしい音楽会に参加させて頂き誠に有難うございました。音の響きを全身で感じ、音に包まれる体験は何にもかえ難いものとなりました。娘が夢中で聞き入る姿を後ろから見て、一生の糧となる体験になったと確信しております。(7歳母)
●遠藤さんの息遣いが感じられるくらいの近さでチェロを聴く事ができる貴重な体験でした。とても幅の広い音が出ることにも驚きました。音を出すには体力が必要で体幹がとても安定している姿勢も美しかったです。本日はありがとうございました。(12歳母)
●子ども自身もチェロの体験ができて、とても良かったです。(10歳母)
●先生方との距離の近さが良かったです。(8歳母)
●久しぶりに音楽を“感じる”事が出来た気がします。苦手意識が高かったクラシックにも興味が湧き、これからも楽しみたいと思います。遠藤真理さんの演奏を目の前で聴くのは素晴らしい体験になりました(大人も)。クラシックって面白い、チェロって幅広いですね。子供にも刺激になったと思います。(12歳父)
●今回感じたことは「わたしはわたし」という事です。演奏時の息づかいや、表現がのった音を聴いて色々と考えました。どの分野も正解はなく、自分の感性を大切にしようと思いました。子供とも話していこうと思います。(8歳母)