レポート「縄文時代にタイムスリップ」

REPORT vol.15

レポート「縄文時代にタイムスリップ」

開催日 : 2023年09月16日〜18日

対象年齢 : 8~12歳

ナビゲーター : 寒川一

場所 : 長者ヶ原遺跡(糸魚川市)

[ NATURE, CULTURE ]

真夏のような暑さが残る9月16日から18日、新潟県糸魚川市の長者ヶ原遺跡にて「縄文時代にタイムスリップ」が開催されました。このプログラムでは、アウトドア専門家の寒川一さんらのナビゲートのもと、9名の子どもたちが縄文時代の生活を追体験しました。

都会の喧騒を離れ、自然の中で子どもたちが得たもの。それは「自然と共に生きる力」です。都会の生活とは異なり、自然の中では自分で判断し行動することが求められます。子どもたちは縄文時代の暮らしをなぞりながら自然の中で生活し、その美しさや厳しさを直接感じました。

子どもたちは大人が考えている以上に、物事を深く、真剣に理解している。そんな場面に何度も遭遇しました。
「子ども達が何か心に残るっていうのは、 ある意味、揺すぶられるみたいなところだと思うんです。不快なことでさえ心の振れにつながる。そのことが、その子の情緒を作るのでしょう」と寒川さんは言います。

また、「抗えない自然は、人が成長するきかっけにもなる」とも。たとえば災害などによって物質的なものを失う経験は、人にとって「余白」を作り出します。それをどのように埋めていくか「創意工夫」することが重要であり、失ったものを悲しむばかりではなく、新しい希望や夢をその「余白」に描いていくことが大切なのだそうです。その時に役に立つのが、まさに今回、子どもたちが学んだ「生きる力」なのでしょう。

 

「今子どもたちの生きている社会って本当に、僕らの時代とは比べものにならないくらいハードな、本当にサバイバルしてるみたいな感じさえもあるわけですよ。その生きていく希望っていうのは、失くしたものにフォーカスするばかりじゃなくて、失くしたものをどうやって自分が楽しく埋めて行こうかということ。そのチェンジ力みたいなものを子ども達に持ってもらいたいなって思います。」(寒川さん)

 

この3日間のプログラムを通して子どもたちは、自然に触れ、自ら考え、行動しました。予想以上に多くを吸収していったと思います。我々も、子どもたちの純粋さや自然に対する感受性の高さを感じ取ることができました。そして「成長」の瞬間に立ち会うことが出来ました。
このプログラムに理解をいただき、信頼していただき、世界一大切な宝物を預けていただいたご家族の皆さまには、心から感謝いたします。



「今回、子どもたちは、竪穴式住居に泊まり、自分たちで火をおこすところから食事をつくるなど、大人でもかなり難しいことを体験しました。まずは、この3日間を頑張った子どもたちを称えてあげてください。ここで感じたこと、知ったことは山ほどあると思います、その話をいっぱい聞いてあげて欲しいと思います。そして、家族でぜひアウトドアに出かけ、その気持ちを共有してください。家族みんなが火をおこせる、家族みんなが安全にナイフを扱えるなど、スキルをみんなで共有してそれを遊びにどんどんつなげていって欲しいです。そういう心持ちを家族で共有できるのが、やっぱりこれからの時代一番強い生き方になるかなって思います。」(寒川さん)

 

SAYEGUSA &EXPERIENCEはこれからも、子どもたちが五感を研ぎ澄まし感性を開く体験を通じて、自らの世界を広げる機会を提供してまいります。次回の体験も、是非ご期待ください。

2023年9月28日
SAYEGUSA &E事務局

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Photo : Kaito Chiba

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